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【尿一滴で精度86%のがん検診】N-NOSE実際に受けてみて考えたこと~これは「庶民の人間ドック」?~

【尿一滴で精度86%のがん検診】N-NOSE実際に受けてみて考えたこと~これは「庶民の人間ドック」?~

最近テレビコマーシャルで時々見かける、「N-NOSE」っていうがん検診を受けてみました。
きっかけは、定期健康診断の際にオプションで受診できる「腫瘍マーカー」という検診があり、数年受けていたのですが、ネットで意味ないのでは?という記事を読み、調べてみるとほぼほぼその通りと思うような内容でした。他に何かいい検査は無いものかと思い調べ、数種類比較してみて「N-NOSE」が手頃そうなので受けてみることにした次第です。
癌は男女で違いがあるのでややこしいですが、私が男性なので男性目線多めで記載することになりますが、ご容赦ください。(乳癌・子宮癌・卵巣癌についてはほとんどふれません)

N-NOSEって知ってますか?

どんな検査

線虫という原始的な生物の嗅覚や嗜好性を利用して癌のリスクを診断する検査だそうです。
尿をシャーレの一端においてそれから線虫が離れるかどうかをもとにリスクの診断を行うそうです。
検査のために尿しか使わないので、検査に対する負担が極端に少ないのもいい点です。

出典:株式会社 HIROTSU バイオサイエンス N-NOSE公式ホームページより

何がわかる

下記のがんのリスクです。(どの部位のがんかはわからない)

共通

胃がん、大腸がん、肺がん、すい臓がん、肝臓がん、食道がん、胆管がん、胆のうがん、膀胱がん、腎臓がん、口腔・咽頭がん

男性

前立腺がん

女性

乳がん、子宮がん、卵巣がん

費用:保険適用外

13,800円(税込み)~
※定期検査コースの場合 ※1回検査コースの場合は14,800円となります。

:全国500拠点(2023年5月現)の指定場所に持ち込む場合
※自宅まで集荷してもらう場合は、集荷料金:2,200円(税込み)が別途必要。集荷エリアは拡大中のようですが全国すべてではない。

検査フロー:申し込みから結果まで

一部の施設・医療機関で受診することも可能だそうですが、自宅用キットで受検するほうが手軽だと思いますのでそのフローを記載します。

  1. N-NOSEの公式サイトに登録し、検査キットを購入する
  2. キットが届いたら、検体を届ける日を公式サイトに登録する
  3. 尿を採取し、持ち込むあるいは指定の送付方法で送る
  4. 6週間ほど待つと、WEBのマイページで結果を確認できる。郵送でも届く。

N-NOSEステーション大阪(2023年6月末日で受付終了)

採尿の際の注意点

  • 空腹時の中間尿をとる(4時間以上の空腹で、おしっこの最初のほうと最後のほうは使わない)
  • 感染症にかかっている、お酒の影響がある、疲れてる、睡眠不足、妊娠中、生理中等はダメだそうです。

何が違う?

普段年に1回受診しているがん検診と比較してみると、イメージがわきやすいと思いますので、比較表を作ってみました。

特定検診と比較

男性の死亡者数が多い順に並べています。

出典:国立がん研究センターがん情報サービス
「がん統計」(厚生労働省人口動態統計)
がん検診-肺がん検診・胃がん検診・大腸がん検診より

一般的ながん検診との違い

  • 対象とする癌の種類が圧倒的に多い:約49% ⇒ 約87%
  • 精度:感度はまあまあだが、特異度はやや低い
  • この検診ではどこの癌かはわからない

   ↓

  • 今まで見つけることが難しかった癌に気づけるかもしれない
  • 検査をすり抜ける確率は今までの検診と同様にある
  • リスクが高いと結果が出ても10人に9人は癌が見つからない
    (これもこれまでのがん検診でもある)

結局何に役立つ?何か困ることは?

どんな結果が出るかによってその後の対応が変わってくると思うので、リスクが低いと判定される場合とリスクが高いと判定される場合、二種類に分けて考えてみます。

リスクが低いと判定された場合

約86%の確率で癌ではない。(対象となっているがんについて)
100%ではないが、ある程度は安心材料となる。
より高い安心感を求めるなら、手間もお金もかかりますがPET-CTや人間ドックなどを毎年受診すればよいと思います。
⇒普通の人は難しいですが・・・。

リスクが高いと判定された場合

ある程度の精密検査をうけて、がんがないか確認してみる。
その結果、あれば早めに治療すればいいし、見つからなければとりあえず無いと安心できる。

課題

・癌がない人のうち10人に1人は高リスクという結果が出る。
・その際の検査は、きっと保険外診療となりお金が結構かかる。(人間ドックと同じ)
例えば確率的には、30歳から80歳まで50年受診すると癌が無くても5回はハイリスクと判定される。

費用対効果を考えてみる

費用

N-NOSEの費用を1.5万円/回、精密検査の費用が10万円/回とすると、
・N-NOSEの費用:75万円(1.5万円×50年)
・精密検査の費用:50万円(10万円×5回)
合計:125万円(50年)
※30歳から80歳まで50年受診、そのうち5回10万円の精密検査
(年あたり費用)
125万円/50年=2.5万円/年が追加で必要

効果

通常のがん検診では検査できないすい臓がんなどの早期発見
死亡者数の比率では、
・通常のがん検診の範囲:約5割、
・N-NOSEによって追加でカバーできる範囲:約4割
・カバーできない範囲:約1割
といったところです。

費用対効果


年間2.5万円で、今までカバーできなかった約4割の癌を86.3%の確率で見つけられるということになります。

この価値をどうとらえるかは個人の判断になると思います。
健康保険金や税金を使う行政の立場でいえば、精密検査をする数がかなり増えてしまうので、行政が推奨し費用負担しているような検診にはならないと思いますが、個人の立場で考えれば、人間ドックを毎年受けるよりも1桁費用が小さいので、検討に充分値します。
費用の捻出方法の一つとしては、検査による早期発見で癌発見後の治療費の増大や癌での死亡リスクが一定程度減るので、自分がかけている生命保険や医療保険を月額2千円程減額し、検査費用に充てればいいのではないかと思います。(一般的な国民皆保険の範囲の普通の治療なら月額の支払い上限もあるので、思ってるほど医療費が高額にはなりません。すごくかかりそうっていう思い込みや印象のは半分くらいは保険屋さんのマジックです。)

がんになったらとか、もし死んでしまったらというリスクに対して医療・生命保険料としてお金を使うより、より早くがんのリスクを発見し対処することで、なるべく長く健康でいるためにお金を使うほうがすごく前向きな気がします。

N-NOSEもさらに進化してきていて、膵臓癌に絞った検査では感度100%(22/22)、特異度91.3%(42/46)と非常に精度が高い結果が研究レベルでは出てきているようです。早く実用化されることを願います。(この場合もすい臓がんがなくても100人に9人は高リスクと判定されます。しかし、部位が膵臓とわかっているので、そこの精密検査をすればよい)
また、すい臓がんになって早期発見で一部切り取った場合でも、膵臓の再生医療も可能となってきているようです。こちらも早く普通の人でも受けられるようになるといいですね。
(2023/07追記)
すい臓がんの検査用に「N-NOSE plus すい臓」が実用化されていますが、費用が7万円なのでちょっと高過ぎて手が出ない人が多いと思います。私も普通のN-NOSEを毎年受けて結果を見て心配になったら考えてみるってレベルで受け取っています。

まとめ

  • 約9割(死因ベース)の癌に対応している
  • がんがなくても約1割の確率で高リスク判定が出る
  • 高リスク判定となった場合、どこにがんがあるかはわからないので、精密検査が必要
  • 受診に関するトータル費用は人間ドックと比較すると1桁安い

一言で粗くまとめると、
「庶民の人間ドック」って感じですね。
手間も少なく、費用も手ごろなので、個人的には毎年定期健康診断の前に受けてみようと思います。

ご参考1)受けてみた結果

低リスク群(B判定)でした。
86.3%よかったです。
(2023/07追記)
今年も低リスク群(B判定)でした。
同じB判定ですが、1ランクリスクが上がってました。
でもまだ低リスク群で自覚症状も何もないので、追加的な検査はしません。
(運悪く86.3%の残りの約14%に入っていたら諦めます。人の人生なんてそんなものかと・・・)

受信後どうすればいいかも一応書いていました。
これは人それぞれなような気もします。
(2023/07追記)
以前はC・D・E判定の場合、五大がん検診や人間ドックを推奨のようでしたが、新しいほうはD・E判定のみ五大がん検診や人間ドックで、C判定は定期的にN-NOSEに変更されてますね。

2022年6月ごろの検査結果に記載されていたもの

2023年7月確認時点の記載内容

ご参照2)その他の検査など

がん検査比較
ABC検診

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